きゃらぶき(伽羅蕗)は、日々の食事やお弁当にぴったりな一品として親しまれています。この伽羅蕗(きゃらぶき)は、日本の伝統的な食品で、おかずやおつまみとしても活躍します。それに似た「蕗の佃煮」は何が異なるのでしょうか。伽羅蕗(きゃらぶき)の特徴や、蕗(ふき)の佃煮との違いについて見ていきましょう。
きゃらぶき(伽羅蕗)の特徴
伽羅蕗(きゃらぶき)は基本的に蕗(ふき)を使った伝統的な料理です。天ぷらおにぎり「天むす」の定番の添え物としても知られ、料理のアクセントとして重要な役割を果たします。ただし、これらはあくまで補助的な存在です。
きゃらに(伽羅煮)の調理法
「伽羅煮」(きゃらに)とは、食材を濃い茶色になるまで煮詰める調理法です。この「伽羅色」(きゃらいろ)とは、黒っぽい茶色をした黄褐色・濃い茶色のことで、「伽羅茶」(きゃらちゃ)とも呼ばれています。「伽羅」(きゃら)というのは、東南アジア原産の沈香木の一種で、長い間珍重されてきました。この言葉は、高品質や素晴らしいものを表す形容詞としても用いられていました。
きゃらぶき(伽羅蕗)と蕗(ふき)の佃煮の違い
食卓に並べた際、伽羅蕗(きゃらぶき)と蕗(ふき)の佃煮の違いは一見わかりにくいです。しかし、それぞれの調理法には細かな違いが存在します。伽羅煮(きゃらに)と佃煮の比較をしてみましょう。
佃煮は、野菜や魚介類を醤油、みりん、砂糖、酒で甘辛く煮込んだ長期保存が可能な料理です。一方、伽羅煮(きゃらに)は、ふきやごぼう、しいたけなどを主に醤油で濃厚な味付けに仕上げる料理です。伽羅蕗(きゃらぶき)も昔は辛味が強かったものの、時代と共に甘辛い味付けに変化しました。
蕗(フキ)の基本情報
蕗(フキ)は日本のあちこちで見かける一般的な野菜で、市場やスーパーでも容易に手に入ります。野生の蕗(フキ)も日本全国に自生しています。
蕗(フキ)の主要な種類
蕗(フキ)にはいくつかの種類がありますが、主に3つの種類があります。
愛知早生フキ
この種はみずみずしくて柔らかいのが特長で、きゃらぶきによく使われます。特に愛知県での栽培が多く、江戸時代から栽培されています。
水フキ・山蕗
この種は京都や奈良で主に栽培され、山野に自生するものを山蕗と呼びます。柔らかく香りが強いのが特徴で、根元が赤いのが目印です。
秋田フキ
この蕗は非常に大きく、茎が2メートル、葉の直径が1メートルにもなります。食感は硬めで、主に加工品に使われます。
蕗は春から秋に旬を迎えますが、愛知早生などの栽培品種は10月から翌年5月まで出荷されます。
蕗(ふき)の保存方法
蕗(ふき)は新鮮なうちが一番です。収穫後、アクが強くなる前に早めに茹でて下処理しましょう。アク抜きしたものは水を入れた容器に入れ、水を定期的に替えながら一週間程度保存可能です。すぐに処理できない場合は、葉と茎を分けてラップに包み、冷蔵庫で1~2日保存しましょう。
蕗(ふき)の葉の利用法
蕗(ふき)の茎だけでなく葉も利用できます。熱湯で1分茹でた後、半日水にさらしてアク抜きをしましょう。その後、炒め物や天ぷらなどにしてお楽しみいただけます。
まとめ
きゃらぶきは蕗を原料にして作られる多用途の食材です。主役にはなりにくいものの、栄養価が高く、味わいも深いです。伝統的な濃厚な味付けの醤油煮のきゃらぶきを作るのもおすすめです。