シチューを作る際、最後の仕上げでルーが足りないという状況は意外と多いものです。
「あれ、ルーが足りない…」という時、わざわざ新しいルーを買いに行くほどではなくても、何か足りない感じがしますよね。
そんなときに活躍する、手軽で簡単なシチューの仕上げ方を今回ご紹介しましょう。
市販のシチュールーの知られざる秘密とその成分
代替品を考える上で、市販のシチュールーがどういった成分から作られているかを知ることが大切です。
まずはルーの主要成分をチェックしてみましょう。
・食用油脂
・小麦粉
・砂糖
・コーンスターチ(※トウモロコシ由来の粉末で、とろみ付けに使用)
・クリーミングパウダー(※クリーム風味を出す成分)
・食塩
・ホエイパウダー(※チーズ製造時の副産物で、乳製品の代用として使用)
これらの成分を組み合わせ、小麦粉とバターを焙煎した後に調味料、とろみの素、乳成分を加えて冷やして固めると、市販のシチュールーが出来上がります。
この方法を参考にして、家庭でも似たようなルーを作ることができます。小麦粉とバターを炒め、牛乳やチーズ、生クリームを加えると、美味しい自家製シチュールーの出来上がりです。
不足したルーはこの手作り法で補えますが、もっと手軽にしたい方や、バターを持っていない方のために、これからは簡単に使える代替方法を紹介します。
シチューのルーが足りない時の簡単対処法とアレンジレシピ
ルーが少ない時でも心配無用。大幅に不足している場合も、少しだけ足りない場合も、手軽に解決できる方法があります。大切なのは、追加した材料をしっかり混ぜ合わせて加熱し、味を見ながら調整することです。
手作りルー:小麦粉+バター+牛乳
家庭で簡単に作れるシチュールーの作り方をご紹介します。
小麦粉の量を増やせば濃度がアップし、バターをたっぷり使うと味わい深くなります。
・小麦粉
・バター
・牛乳
・塩コショウ
・フライパン
1. 小麦粉とバターを1:1の割合で用意します。
2. フライパンでバターを溶かし、小麦粉を加えて炒めます。
3. 炒めたら牛乳を加え、シチューに混ぜ合わせます。
4. 味が薄い場合は塩コショウで調整します。
ブールマニエでアレンジ:小麦粉+バター
炒める工程を省くなら、ブールマニエを使った方法が便利です。
ブールマニエは、小麦粉とバターを合わせたもので、シチューに濃厚な味わいととろみを加えます。
・ボウル
・小麦粉
・バター
・40℃のぬるま湯(少量)
・塩コショウ
1. 小麦粉とバターを1:1で準備します。
2. ボウルで小麦粉とバターを混ぜ合わせます。
3. 手でしっかり練り、ぬるま湯を加えてペースト状にします。
※ダマができないように注意。
4. 味を塩コショウで調整し、シチューに加えます。
バターは高温で溶かすと成分が分離するので、ぬるま湯を使うのがポイントです。
コンソメでシチューに深みをプラス
コンソメを活用してシチューの味に深みを加えましょう。小麦粉を加えることで、滑らかでとろみのある質感を出すことができます。また、鶏がらスープの素や中華スープの素でも代用可能です。
・水
・小麦粉
・コンソメ
・牛乳
・塩コショウ
1. コンソメを水で溶かします。
2. コンソメの水に小麦粉を加え、ダマにならないようにしっかりと混ぜ合わせます。
3. その混合液をシチューに加え、加熱しながらとろみをつけます。適度なとろみが出たら、牛乳を加えます。
4. 最後に塩コショウで味を整えましょう。
片栗粉でシチューを風味豊かに
片栗粉を使って、牛乳を加えることでシチューの風味を豊かに仕上げます。牛乳がない場合は水を使っても良いですが、より濃厚な味わいが欲しい場合はバターやチーズを加えると良いでしょう。
・片栗粉
・牛乳
・ボウル
1. ボウルに片栗粉と牛乳を2:1の割合で混ぜ合わせ、よく溶かします。
2. この混合液を少しずつシチューに加え、加熱していきます。
3. 希望のとろみが出るまで、この工程を繰り返します。
注意:片栗粉を多量に一度に加えると、シチューが固まりすぎる可能性があるため、少しずつ加えることが重要です。
コーンスターチと牛乳でシチューを変身させる
コーンスターチはトウモロコシ由来のデンプンで、シチューにぴったりなとろみを加えます。小麦粉よりも強いとろみを持つため、少量ずつ加えて様子を見ながら調整するのがポイントです。牛乳やバター、コンソメを加えることで、味に旨味とコクをプラスできます。
・コーンスターチ
・牛乳
・溶かしたバター
・ぬるま湯
・顆粒コンソメ(市販の味の素や鶏がらスープの素でもOK)
1. コーンスターチと牛乳を1:2の割合で混ぜ合わせます。
2. その混合物に塩コショウ、コンソメ、溶かしたバターを加えます。生クリームがあれば、さらに美味しくなります。
3. この混合液をシチューに少しずつ加え、加熱していきます。
4. 好みのとろみが出るまで、必要に応じて加えて調整します。
※生クリームを使用すると、より豊かな風味のシチューに仕上がります。
じゃがいもとチーズでシチューに深みを
じゃがいものデンプンを活用してシチューにとろみを加え、とろけるチーズや粉チーズでコクを深めます。
・じゃがいも
・チーズ
1. じゃがいもを1cm角に切り、電子レンジでしっかり加熱します。
2. 加熱したじゃがいもとチーズをシチューに入れ、煮込みます。
※じゃがいもをすりおろしてレンジで加熱する方法も効果的です。
ご飯とチーズでシチューを新たに楽しむ
ご飯のデンプンを利用してシチューにとろみを加え、とろけるチーズや粉チーズで濃厚な味わいを生み出します。
・ご飯
・包丁
・チーズ
1. ご飯を包丁で細かく刻みます。
2. 細かくしたご飯とチーズをシチューに少しずつ加え、煮込みます。※お好みのとろみが出るまで少しずつ加えてください。
※ご飯はミキサーで細かくするか、すりおろしたお餅でも代用できます。ご飯の甘みがシチューに新しい風味を加えます。
不足を活かしたシチューのアレンジレシピ
ルーが足りないシチューをおいしく活用するアレンジレシピをご紹介します。新しい発見があるかもしれません。
・ 茹でたパスタにシチューをかけ、黒胡椒とチーズでカルボナーラ風に。
・カレールーを加えてカレーシチューに変身。
・オムライスの上にシチューをかけてシチューオムライスに。
・ご飯とシチューをバターで炒め、とろけるチーズをのせてオーブンで焼いたドリア風に。
残ったシチューのアレンジにも最適です。その場合は、少し水で薄めてから使うと良いでしょう。
まとめ
市販のシチュールーは、小麦粉とバターを焙煎し、調味料、とろみの素、乳成分を加えて作られます。
小麦粉とバターを炒めて手作りのルーを作ることができます。
ルーの代わりにコンソメ+牛乳+小麦粉やコーンスターチ+牛乳+バターの組み合わせで味を調整する方法もあります。
じゃがいもやご飯を使ってシチューにとろみを加えることもできます。